2005
2005
ケニア壁画プロジェクト2014は、ケニアにある西アフリカ最大のスラム街、キベラスラムにあるマゴソスクールに壁画を描きにいく3度目のプロジェクトです。2014年12月の火災によって焼失した校舎を囲う塀への壁画制作と、アートを使った現地の子どもたちとの交流を行いました。
2015年1月23日より約3週間滞在して壁画を制作するとともに、約200名を対象に絵画教室を実施。東京都荒川区尾久宮前小学校とのフラッグ交換ワークショップも行いました。またマサイの村で、初めて絵を描く子供たちに「昨日何してたワークショップ」を開催しました。
私立小学校「マゴソスクール」は、1999年にリリアン・ワガラというケニア人女性が開校した、スラムに住む貧困児童が通う小学校です。彼女自身もスラムの出身ですが、『子供たちに勉強する機会を与えたい』との強い意志から、自分が暮らす長屋の一室にストリートチルドレンを集め、寺子屋のような形ではじめました。
徐々にそこは、両親を亡くしたり、虐待されたり、行き場の無い子供達の駆け込み寺となり、人数が年々増えていき、現在約450名が通うマゴソスクールとなりました。2008年から毎年卒業生を送り出すようになり、子どもたちだけではなく、大人も、若者たちも、困った状況にある人たちがここでともに生きていける場所になっています。
マゴソスクールと東京都にある荒川区立尾久宮前小学校の交流プログラムを実施。
お互いの町のワードを20個ずつ出し合い、荒川の子はケニアの絵を描き、ケニアの子は荒川の絵を描き、両校の交流の証として交換されました。
昨日の朝9時、正午、昼の3時、夕方6時、夜9時にそれぞれ何をしていたかを絵にしてもらうワークショップを、マゴソスクール、マサイの村、尾久宮前小学校で行い、スカイプで言葉を使わずに絵で会話をするワークショップを行いました。
キベラスラムの子供たちは、ほとんどが絵の具を使ったことがありません。彼らに色とりどりの絵の具を好きに使って描いてもらいました。今回の絵画教室では約100枚の作品が完成し、校内で展覧会を開きました。優秀な作品を選び賞状と賞品を贈呈しました。
マゴソスクールに描く壁画の原画を佐賀市の子供たちと制作しました。原画を1,000分割したパズルを作り、1ピース2,000円でスポンサー販売してプロジェクト資金を作りました。
ギラギラと照りつける太陽。香ばしいチャコールの香り、子供たちが元気に教科書を復唱をしている声が響いてくる。壁の向こうから聞こえるノリのいいアフリカンミュージック、もうもうと立ち上る土煙、スワヒリ語で雑談しながら色塗りを手伝う若者が、入れ替わり立ち替わりやってくる。
2015年1月23日から始まったマゴソスクールの壁画制作は、連日の猛暑の中2週間で全長20mの巨大壁画が完成した。100万人が住むという貧民街キベラスラムにあるこのマゴソスクールは、昨年の12月に大規模な火災が発生し多くの被害を出した。二度と同じ災害が起こらないよう願いを込めて作られた壁へのペイントだった。
校門を入ってすぐ左正面にメインの「世界の偉人たち」、その左右には色とりどりの花を一面に描いた。鮮やかな金とスカイブルーの空からは、無数のプレゼントが降りてきて、マゴソスクールのオレンジの制服を着た子供たちが受け取っている。ケニアの日差しに負けない色彩豊かな壁画が完成した。
プロジェクトを立ち上げて一年、「絵で何が出来るか」をテーマに1,000人でシェアするパズルや、日本の子供とケニアの子供を繋ぐプログラムなど、参加型の取り組みを行ってきた。絵を通しての交流には言語を必要としない。
そこには貧困や格差といった現実の壁を越えた、人と人の魂の響き合いがある。子供たちはどんな環境にいようと絵を描くことが好きで、表現する欲求を持っている。このプロジェクトを通して、絵が人に与える影響の大きさ、そして絵が人を繋ぐ力を改めて思い知った。今後はケニアだけでなく様々な国で絵を通した活動を続けていきたいと思う。
世界中に壁画を残しながら世界中の人々と交流をしていく、きっとその先にもっと大きな「絵で出来ること」が見えてくるはずだ。
ミヤザキ ケンスケ
マゴソスクール ケニア ナイロビ
2015年2月7日
300 x 2,000 cm
中目黒Bioキッチンスタジオ 株式会社ぷろぺら 筑波大学 斉藤泰嘉研究室 佐賀玉屋 かもはら写真館 株式会社KNOCK 小金井アートフル・アクション nitehi works KUSU HANDMADE NPO法人DOOOOOOOO 株式会社サガシキ FKI Graphic M. DESIGN STUDIO NPO法人アマニ・ヤ・アフリカ イイダ靴下 荒川区立尾久宮前小学校 マゴソスクール 早川千晶 順不同
主催:ケニア壁画プロジェクト
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